第35回 見えない透明矯正方法とは

平成23年11月1日

前回は、乳歯が人類の未来を救うことになる可能性についてお話しました。乳歯により顎の発達を積極的に行えること、抜歯した乳歯歯髄(神経)が残っていれば、その歯髄から人間の組織−皮ふ・骨等を再生することができる、等です。

今回は表から見えない矯正法について述べます。表から見えない方法には裏側からの矯正法がありますが、今回の方法はしっかりした割れない透明なプラスチックで歯のキャップを造り、それを歯に被せて歯並びを治すシステムです。この方法ですと人目には判らず少しずつ歯を動かしていきますので、芸能界や人前で接待・商いをする業種の人に適した矯正法と言えます。ワイヤーや歯の表・裏に器具をつけないので、ワイヤーのあたりによる口内炎等が生じません。

治療の仕方としまして、歯型を採りその歯型で動かす方向へ歯を移動させ、その状態のプラスチックの型を造り、それを1日17時間以上はめてもらいます。約3〜4週間後にまた歯型を採って少し歯を動かした状態のプラスチックを型とりして歯に被せていきます。このような手順を10数回もしくは20回繰り返して、きれいに並んだ状態までに仕上げていきます。

この方法はワイヤーとは異なり歯をダイナミックに動かすことはできません。1回の治療で数ミリずつ動かしていかねばならない欠点があります。また、全ての不正咬合にこの装置が使えるわけではなく治療できる範囲が限られます。(例えばスキ間のある方や歯がねじれていて、ねじれが比較的軽度な方)。歯を動かすために少し歯をトリミング(削る)することもあります。また少ししめつけられる感じがします。

長所としましては、金具を歯につけないのでお口の清掃が容易であり、ムシ歯や歯周病予防に優れた方法と言えます。又、ホワイトニングも並行してできますので、女性向きと言えます。費用は裏側矯正法とほとんど同じとなります。


爽やかな 言(こと)の葉(は)発する 口元は 山嵐のあとの 不二の山かな

第34回 どうして7〜9才の歯が大切なの?

平成23年7月1日

(1)受け口について

美しい歯並びは口元が輝き、人々を幸せにします。さて、その美しい歯並びのキーワードは「7〜9才」、「歯の大きさ」、「顎(アゴ)の大きさ」です。なぜ7〜9才なのでしょう。この時期に前歯が萌えてきます。その萌え方が美しい歯並びを決めるのです。今回は受け口を中心にすすめます。

前歯が逆被蓋−上の前歯が内側へ入り、下の前歯が外へ出た状態−になりますと、上アゴの発育が悪くなります。顎を横から見ますと、眼から鼻にかけて凹んだ状態となってきます。下の前歯が上の前歯を押えつけて成長しますから、下アゴが徐々にしゃくり出て、思春期を過ぎる頃には三日月様の顎が完成されてしまいます。7〜9才の前歯の位置が正常でありますと、上と下のアゴはバランスよく発育成長していきます。

矯正治療の歴史が長い米国では、永久歯の前歯が萌えてきますと、その頃から矯正医へ定期的(年に2〜3回)に検診を受けることが多いと聞きます。

もし、前歯の萌え方が「おかしいな」とご両親が思われましたら、気軽に質問して下さい。状態によっては、お母様の協力によりその歯並びが悪くなることを防ぐ方法を教えさせていただきます。この頃は骨が軟らかいので、受け口の下アゴを指で後ろへ押し続ける方法で正常に治すことができる症例もあります。これは毎日続けることが大切となります。又、矯正装置を夜寝る時にはめてもらい、寝ている間にアゴと歯に刺激を与えて治す方法もあります。これですと子供さんに負担をかけるのが少なくてすみます。


萌えてくる かわいい前歯 下と上 揃って並んで 笑顔美しい

第33回 8020運動

平成23年1月28日

8020運動をご存知でしょうか。”はちまるにぃまる運動”と読みます。平成元年にスタートした80歳になっても20本の歯が残っているようにしましょうという運動です。なぜ20本なのでしょうか。

親知らずを抜かすと歯の数は28本です。そのうち20本の歯があると、ほとんどの食べ物を問題なく食べることができます。80歳になっても20本の歯を残すということは、栄養の入り口である口を健康に保つことで体の健康につなげるということだけではなく、気持ちよく話せるとか、口元を気にすることなく人といられるというさまざまなメリットがあります。年をとるとみなさん一番ほしいのは健康だとおっしゃいます。その健康の入り口である「歯」を残すというのは、健康で快適な生活を送る上でとても重要なのです。

日本は世界でもトップクラスの長寿国です。2009年女性の平均寿命は86.44歳で世界一。男性は79.59歳で世界5位となっています。男性のトップがどこか知っていますか?サッカーで有名なドーハがあるカタールで81.0歳なんです。次いで香港、アイスランド、スイス、日本と続きます。女性は日本、香港、フランス、スイス、スペインと続きます。しかし日本の平均残存歯数、つまり残っている歯の数は先進国の中ではむしろ低いのです。特に中高年以降は急速に歯を失っていく傾向があります。これは調査のたびに上回ってきてはいます。

日本の65歳から79歳の総歯数(1人平均現在歯数×推計人口)はこの30年間で6倍に増加しています。これは高齢者人口が増え続けていることも原因の1つですが、歯を大切にする世代が増えていることも原因となっています。歯を守るという意識の向上、その方法が一般的になってきたわけですね。うれしいことです。

最近は赤ちゃんの時期に虫歯の菌を感染させないようにすることが、一生良好なお口の環境を作る1つなのだということを、ほとんどの保護者の方がご存知です。そのために同じお箸で食事をしないとか、かわいいからといってお口にキスをするといった感染を避けるよう心がけている家庭が増えています。また虫歯予防にはとても効果の高いフッ素が含まれている歯みがき剤も9割を超えて販売されるようになりました。これからも虫歯は減り続けるでしょう。

20本以上歯を有する人の割合は、6年に一度行われる歯科疾患実態調査によると平成17年8.9本となっています。8020運動がスタートした約20年前は4本程度でしたから大きな進歩ですね。健康大国であるスウェーデンは8021を超え、2025そして8028を目指しているそうです。私たちも80歳で20本を越えて、長寿にして残存歯が十分にある健康な生活を送れるようになりたいですね。


20本以上の歯を有する人の割合

第32回 歯周病の進行

平成22年12月7日

よく年をとると歯が抜けてしまうと考えていらっしゃる方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。歯が抜けるのは年を取るからではなく、多くが歯周病によって抜けてしまうからなのです。前回お話したように、歯周病というのは、歯を支えている顎の骨が無くなってしまう病気です。歯が伸びてしまったとおっしゃる方もいらっしゃいますが、歯が伸びるのではなく、歯を支えている顎の骨が無くなってしまい、歯の根っこの部分が露出することにより、歯が長くなったように見えるのです。

ところが、進行した歯周病でも外から見てなにも変化が見られない場合も多いです。というのは、骨が無くなっても、最初は歯茎の形がそんなに変わらないことが多いからです。歯茎が腫れているため、歯茎のレベルに変化が見られないということも多いです。また、自覚症状が重症にならないと出て来ないという特徴を持つ病気です。風邪のようにすぐ喉が痛くなったり、鼻がつまったりという分かりやすい症状が発現せず、重症になったり末期になってようやく症状が出るという特徴があるのです。

「なんか最近歯がういたような気がする」と来院なさった方が、レントゲンを撮影する事で歯周病が発見され、治療の施しようが無く歯を抜くということになるのもまれではありません。ほとんど自覚症状は無かったのに、急に抜かれてしまったと言われますが、実は自覚症状が無く進行する恐ろしい病気だからなのです。

ではどうするかというと、定期的な専門家による診断が必要です。歯周病は骨まで進行する病気ですから、外から見ただけではきちんと確認をすることができません。定期的にレントゲンを撮り骨の状態を診ておく必要があります。自己判断が出来ない病気ですので、定期検診を怠らないようにしましょう。

(図は日本歯科医師会資料より)

第31回 「歯周病」のお話

平成22年10月5日

今回は歯周病についてお話します。

歯は骨に半分埋まっています。下の歯は下あごの骨、上の歯は上顎の骨に埋まっています。出ている部分はエナメル質という固い層に覆われています。埋まっている部分は歯根(しこん)と呼ばれます。この歯根はセメント質に覆われています。そして埋まっているその骨のことは歯槽骨といいます。槽というのはうつわという意味です。お風呂も浴槽といいますね。歯槽膿漏というのは歯が埋まっている器の部分が溶けてしまい(漏れてしまって)膿みになってしまうという病気なのです。

歯と歯茎はぴったりとくっついているわけではなく、際の部分には1〜3ミリの溝があります。これを歯周ポケットといいます。歯周病は歯周病菌が原因で起こるのですが、この菌はとっても空気が苦手な嫌気性菌です。ですから空気がある歯の表面や歯茎の表面にはいないのです。ほとんどがこのポケットの中にいます。歯ブラシは歯周ポケットの中3ミリまでは入って行きません。ですからここは、歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングの領域になります。

みなさんが掃除をするのは、歯周ポケット付近と、歯周ポケットの入り口付近です。歯ブラシは歯の表面を磨くのではなく、この歯の生え際の部分に毛先があたるように磨きましょう。歯ブラシがあたらない歯と歯の間も、空気の少ない歯周病多発地帯です。歯間ブラシやデンタルフロスの使用は、とても有効な予防手段です。

(図は日本歯科医師会資料より)

第30回 歯の「神経」のお話

平成22年8月4日

今回は30回の節目といたしまして、歯の構造についてご説明します。

「九重矯正歯科小金井/九重歯科多摩センター」ロゴマーク

歯というのは顎の骨に埋まっています。顎の骨に穴があいていて、そこに刺さるように植わっているのです。歯の内側には神経が入っています。歯の中に空洞があって、そこに神経が通っているわけです。神経はもちろん脳に繋がっています。神経を取ったはずなのに歯に痛みが残る事があります。それは、歯の神経が1本ではなく、細い神経の枝がたくさんあって全部を取りきれない事、歯の中の神経は取ったとしても、脳につながる神経はあるので、途中で切断した所が痛む事が原因です。

しかし、ここにあるのは神経だけではありません。血管やリンパ管も入っています。虫歯が大きくなると「神経を取る」と言いますが、神経を取る時はこの空洞にあるものをすべて除去して、かわりに歯と同じような物質であるカルシウムを詰めます。歯に栄養を送っていた組織を除去してしまいますので、歯はもろくなってしまいます。そして割れやすくなってしまうのです。咬むための筋肉は、体のどこよりも強い力を出す事ができます。小さい歯には、歯ぎしりなどによって100キロ以上の力がかかることがあります。そういう力を日常的にかけられていては、歯もたまったものではありません。歯が割れてしまい、抜く事になるのです。

神経はとても大切です。できるだけ神経を取らずにすむよう、予防をしっかりと行い虫歯にならないようにしましょう。

(図は日本歯科医師会資料より)

第29回 歯根膜の役割

平成22年5月18日

歯は骨の中にしっかり固定されていると考えがちですが、実は歯と骨の間には薄い膜があります。この膜のことを歯根膜と呼びます。この膜を通して歯は栄養補給されています。薄い膜ですが、歯を強く押すとちょっと動く感触があります。これは歯と骨が完全に接着しているわけではなく、この膜が緩衝材になっているからです。

この膜は血管と筋肉繊維様物質でつくられているため、固いものを噛んでもアゴの骨に強い衝撃が加わらず、噛む力が緩衝され歯にダメージを与えません。また、矯正で歯を動かすことができるのも、この膜のお陰です。この膜が介添えになり、歯を動かす方向の骨が吸収されスキマができ、歯が動くのです。そのスキマはやがて骨で埋めつくされますので矯正中は歯がグラグラしているように感じますが、装置をはずすと歯が新しくできた骨によって保定されしっかりしてきます。

矯正が終わったあと、歯のギブスといって保定装置をはめるのはこの理由からです。さてこの膜は、実は身体の変化に大変敏感です。みなさんの中で、二日酔いをした次の日、歯が浮いた感じがするという体験をお持ちの方がおられると思います。この膜は身体の疲れ、ストレス、内科的疾患(糖尿病、腎疾患、心臓疾患等)に対して敏感に反応します。

例えば、身体は健康なのに歯が浮いた感じがするという時は、実は身体の内部では黄信号もしくは赤信号が点滅し始めている徴候かもしれません。歯が浮いたり歯グキから出血が多くなったと思われる方は、身体を休め、栄養にも気をつけ、あまり無茶をしないことです。こういう方のアゴのレントゲンを撮りますと、アゴの骨が溶けはじめている場合もあります。この場合はまず歯科医師の診断を受け、内科医にかかる必要があるでしょう。ほっておかないように。

第28回 歯周病を予防するには

平成22年3月26日

今回は歯周病で歯を失わない為のチェックポイントをお知らせします。今から述べますことに身のおぼえのある方は、かかりつけの歯医者に行かれてご相談なさって下さい。

  1. 昔からいわれております、リンゴをかじったり、歯ブラシを歯グキにあてて磨くと出血する。
  2. 歯グキから膿が出ることがある。
  3. 歯グキが赤く脹れたり、痛むことがある。
  4. 歯が動く。
  5. 歯と歯の間によく食べ物がはさまる。
  6. 口臭がある。
  7. 朝起きたとき□が粘つく。また妙な昧がする時がある。
  8. 歯グキがむずがゆい感じがする。
  9. 前よりも歯が長くなったように感じる。
  10. 歯の生え際がしみる。

以上のようなことがらに思いあたる方は、歯周病である可能性が高いです。特に口臭がある方は、歯グキから膿が出ていると考えられますので、早いうちに検査と治療が必要になってきます。また歯がしみる方は、歯の根が露出し知覚過敏となったのかもしれません。歯を支えている顎の骨が無くなっているかもしれません。こちらも早めの検査と治療が必要です。

歯の根は本来歯茎に守られています。ですから虫歯に対してとても弱いのです。歯の上の部分、通常見えている部分と比べてとても虫歯になりやすいです。つまり今まではめったに虫歯にならなかった方も、歯の根の部分が出てくると、短い時間で虫歯ができる可能性があるということです。歯肉がさがることを止めていく必要があるでしょう。

歯と歯の間にものがよくはさまりますと、はさまったままの食べものが発酵、腐敗して歯グキに炎症をおこさせますので、歯のスキマをうめる治療が必要となります。また歯が動いてしまった原因を取り除きスキマがあくのを止めた方がよいでしょう。以前書きましたように、この様な原因は口の中の細菌、中でも歯周病菌が血液を栄養として、歯の周りにある歯周ポケットという溝の中に住みつくことにより起こります。

服のポケットと同じく、歯と歯グキの間の空間に空気が嫌いなタイプの細菌、嫌気性菌が集まって、歯垢とかプラークと呼ばれる塊になり、毒素を出すことによって歯肉が退縮してしまうのです。思い当たることが一つでもある方は、早めに歯科医院へ受診なさることをおすすめします。

第27回 歯の形と食系

平成22年1月25日

最近「草食系男子」と「肉食系女子」というのが流行っているようですね。
男子は心優しく消極的で言われたことをこなす。女子は自分のほしい状態に向かってガンガンと突き進むという人が流行しているのだと聞きました。女性が積極的になるのは良いですが、男性が消極的になるというのはいかがなものでしょうか。男性にもがんばってほしいものです。

しばらく病気の話が続きましたので、今回は中休み。歯の形と食事の仕方についてお話しましょう。

私たちは28本の歯を持っています。親知らずが全部ある方ですと32本です。最近では先天的に歯の本数が少ない人もたくさんいらっしゃいますし、顎の大きさも昔に比べて小さくなっています。歯の本数が少ないために隙間が出来て矯正する方は、それほど多くありません。顎が小さくなっているので、少ないながらも並びきってしまうからです。むしろ、顎が小さいのに歯の本数は全部そろっているため、小さな顎に歯が並びきらず、でこぼこの歯並びになってしまう方のほうが断然多いのです。

形の違いからみた歯の種類はといいますと、シャベル状であったり押し切りのなた状である前歯、尖頭形の犬歯、尖頭型ながらやや丸みをおびた小臼歯、臼の形をした大臼歯と大きく四種類に分類できます。それぞれが上顎に前歯4本、犬歯2本、小臼歯4本、大臼歯4本(親知らずが全部ある方は6本)、下顎も同じ数の本数があります。親知らずはある方もいらっしゃいますし、ない方もいらっしゃいます。1本だけの方、2本の方、3本の方とさまざまです。

ここで動物の歯の形を見てみましょう。 馬は臼歯のみ、牛も臼歯のみです。ネコや犬は尖がった歯ばかりで奥歯も尖がりの強い臼歯となっています。ライオンはといいますと殆どが尖んがりの強い歯のみです。つまりほとんどが牙ということです。 ここでお気づきになった方も多いでしょう。 尖んがりの強い歯を持っている動物は肉食性。臼歯型の動物は草食性という具合に分類できるのです。

これを人間に当てはめてみますと、奥歯は植物とくに穀物を中心に噛みくだく目的であり、犬歯は肉類(魚を含む)を噛み切る目的、前歯は野菜など繊維性のものを噛み切る目的の歯であることを考えると、それこそが人間本来の生理的食習慣に合致しているのではないかということになります。このように考えますと、人間は食事の内容を穀物と植物主体とし、肉類は補助的食物にするとよいのではないかということでしょうか。 これらを念頭に入れて献立を作りますと、高カロリーにはならず、過剰なタンパク質を摂らなくなり、成人病や生活習慣病と呼ばれる病気も減少していくのではと思う今日この頃です。

また歯並びが悪いと、場合によっては繊維質が摂りづらかったり、穀物が摂りづらくなったりして、人間のあるべき生理的食生活から遠のくことになってしまうのではないでしょうか。


歯のかたち □とからだに ものもうす

第26回 歯周病の原因ってなあに

平成21年11月22日

前回は歯周病とタバコとの関係についてお話をしました。今回は、そもそも歯周病とはどんな原因でなる病気なのかお話しましょう。

歯周病の原因は「歯周病菌」と言われる細菌です。歯石や歯垢、プラークと言われるものが原因の一つであることはみなさんご存知でしょうが、すべて細菌の「かたまり」のことなのです。お口の中には細菌が600種類もおります。すべてが歯周病菌というわけではなく、歯の周りの組織に悪影響を及ぼす細菌のことを、歯周病菌と呼んでいます。この細菌たちは「嫌気性菌」でとても空気が嫌いな菌です。ですから、歯の表面ですとか、歯肉の表面には存在しません。プラークというかたまりを作って、その内部にいるか、歯周ポケットという歯を取り巻く溝の中にいるのです。こういうところをきちんと磨いていくのはとても難しい。ですから、歯科医院で正しい歯の磨き方を習って、さらに定期的な専門家によるクリーニングを行う必要があるわけです。ところが歯周ポケットが深くなってきたりしますと、その内部まで毎日磨いて細菌を除去するのは不可能になります。そうなると、細菌に対する抵抗力が大きく関わってくるのです。


歯周病細菌以外の原因は

他の原因についていくつか述べてみますと、喫煙、ストレス、歯ぎしり、糖尿病、肥満、薬、ホルモン、性別等があげられます。

  1. タバコ
    タバコを吸わない人に比べ喫煙者は歯周病にかかる割合が数倍高く、また治りも悪く、再発性も高く、重症例が多いと報告されています。これは前回お話したとおりです。

  2. ストレス
    精神的・身体的なストレスは、数十年前から口の中の疾患にも影響を与えるといわれ、ストレスにより血管収縮が生じ、歯周組織の酸素や栄養が欠乏し、傷の治りを悪くするなど身体の抵抗力を低下させるといわれています。

  3. 歯ぎしり
    歯ぎしりは歯をガリガリとかみ合わせて動かすことで歯の周りの組織、特に骨にダメージを与えます。特に大人の方の歯ぎしりは要注意といえます。子供の場合は、骨の成長と関係しますのであまり心配はいりません。成長期の子供はよく歯ぎしりをします。

  4. 糖尿病
    血糖値のコントロールがうまく行われない方は、歯周病も重篤な傾向にあります。糖尿病は血行を悪くする病気ですから、ほとんどの病気に悪影響を与えます。高血糖は歯周病に悪影響を与えるのですが、実は歯周病も糖尿病の進行を助長することが近年わかってきています。

  5. 肥満
    肥満というのも全身に悪影響を与える原因の一つですね。肥満による身体の新陳代謝障害は歯周病にも影響を与えるといわれています。


  6. 抗てんかん薬や免疫抑制剤、カルシウム桔抗剤を服用すると歯周病が悪化することがあります。また薬には、口を渇かすという副作用を持つものが多数あります。口は唾液で守られています。その唾液が少なくなってしまう薬を飲んでいる場合、歯周病が進行しやすくなったり、虫歯が増える場合があります。

  7. ホルモン
    特に妊婦さんや思春期の女性ホルモンをターゲットとして増殖する歯周細菌があります。思春期には歯肉が腫れやすくなったり、妊娠中は、妊娠性の歯周病というのを起こすことがあります。

以上原因をいろいろあげましたが、どちらにしても日常の手入れをおろそかにしては歯周病を予防、また治療していくことは不可能です

第25回 歯周病とタバコについて

平成21年9月16日

歯周病はお口の病気ですが全身に悪影響を及ぼします。早産、糖尿病、心臓病、骨組群症、高血圧などを引き起こすともいわれています。また糖尿病、心臓病、骨粗しょう症や高血圧からも影響される病気です。その歯周病の原因は歯周病菌という細菌ですが、歯並び、合わない入れ歯やかぶせ物、全身的にはタバコ、食生活の片寄り、免疫疾患、女性ホルモンの変化、精神的ストレス、多量の飲酒、加齢、不規則的な生活などにも影響をうけます。

その中でもタバコは、歯周病の危険因子の中で際立ってハイリスクなのです。俗にいうヘビースモーカーほど歯周組織(歯グキ)の崩壊が急速に進みます。また喫煙本数が多ければ多いほど、また喫煙開始年齢が若いほど、歯周病の悪化が著しい傾向が認められます。喫煙者は非喫煙者に比べ、歯周病の危険度が1.7〜2.7倍高くなり、進行のスピードは16倍というデータもあります。そして禁煙により歯周病の改善がスムーズに進むということが判ってきていますが、禁煙をしたとたんに改善されるわけではなく、体に蓄積された有害物質は、禁煙後3年も害を与え続けるそうです。

では、どの位の本数を吸うと危険度が増すかといいますと、今までに吸ったタバコの本数が10万本を越えると、ほぼ全員がタバコの影響を受けます。一日一箱20本のタバコを吸い続けたとすると、13年間で10万本を越えます。20歳から吸い続けると33歳ですね。これはとても早い時期であるといえましょう。

なぜタバコが悪いのかを簡単に述べてみます。

  1. ニコチンの細胞への毒性、血管収縮作用
  2. 煙成分が免疫細胞の能力低下を引き起こす
  3. ニコチンは歯を構成しているセメント質と結合し、歯周病を悪化させる

などがあげられます。

歯周病の治療をいくら行っても、タバコを吸うことで歯肉に悪い影響を及ぼし、歯周病が悪化します。タバコを吸うことでアゴの骨が溶け、歯周骨の喪失が一層早まり、また全身的悪影響を及ぼすので。タバコを吸われる方は、是非早いうちに禁煙を。

タバコとは 煙りとともに 身を削る

第24回 口臭と肺炎

平成21年7月22日

短期的な口臭予防には洗□剤、洗口液などが便利ですが、それは対処療法にすぎません。きちんと原因を除去する必要があります。

口臭を防ぐには、

  1. 口の中を清潔に保つこと
  2. 歯周病の治療をきちんとすること
  3. 虫歯や入れ歯、冠などの手入れを行い、治療を済ませること
  4. 全身の健康管理を行うこと

などがあげられます。

口臭は口の中の細菌がタンパク質を分解することによってニオイが発生させます。その細菌の居場所を無くすことが重要となります。毎日の歯磨きによる歯垢(プラーク=細菌のかたまり)の除去、歯科医院での歯石除去を含むプロフェッショナルクリーニングを定期的に行うとよいでしょう。これらの細菌は口臭や歯周病を引き起こすだけではなく、肺炎の原因となりお体が弱っているお年寄りですと、お亡くなりになることもあるのです。お年寄り及び病人の死亡原因の上位を占めるのが肺炎です。その肺炎の原因が実は口の中の細菌であることが最近判ってきました。

1990年代に、東北大学医学部老人科の佐々木秀忠教授らは、老人福祉施設に入居しているお年寄りを対象に夜間、就寝中の嚥下状態に関する研究を行いました。その結果、誤嚥によってお年寄りの肺炎が起こるということがわかりましたた。誤嚥性肺炎です。飲み込んだ唾液がうまく食道から胃に流れ込まず気管に入ってしまい、気管で唾液中の細菌が炎症を引き起こしてしまうのです。この炎症が肺炎となり、時には死に至るのです。

この誤嚥性肺炎を防ぐためには、正しい嚥下の習慣性を身につけることが必要です。しかし御年寄りは筋肉の力も落ちてしまうため、正しく飲み込むというのはなかなか難しいケースもあります。もし正しい嚥下が難しいのなら飲み込むものは唾液ですから、口腔内を清潔に保つことにより誤嚥しても肺炎を起こさない唾液中の細菌群を持てば良いことになります。

即ち、口臭の原因菌、グラム陰性菌の増殖を抑えることが大切となります。 この細菌が間違って気道内に入ったとしても、細菌の量が少ない状態になるように、□の中を清潔に保つことが大切となります。寝たきりの方ですと、□の中の手入れが行き届かないことが多いと考えられますので、周りの付き添いの方の努力が必要となります。大変なことではありますが、命につながることなのです。

第23回 歯茎から血が出る

平成21年5月30日

歯茎からの出血を軽く考えている方は多いようです。しかしさまざまな原因で出血が起こり、その中には重篤な症状を引き起こすものもあります。その原因は歯周病だけではありません。もし出血があるようでしたら、軽んじることなく、歯科医院で検診を受けましょう。

もしも歯周病が原因で出血していたとしても、歯周病は軽度であれば毎日のブラッシング方法などを改善するだけで治すことが可能です。ほっておくと歯を支えている顎の骨が無くなる病気です。早いうちにしっかりと治しておく必要があります。

また、歯周病のひどい方は、歯周病をひきおこす細菌とその排泄物によって肺炎をおこしやすいのです。口の中の細菌が全身の健康をそこなうという研究結果が、これからも多数でてくることと思われます。歯周病と早産、糖尿病、心臓病のつながりもはっきりとしてきています。新しい研究では、ストレスとの因果関係の報告もあります。ただの出血と受け流すことなく、定期的に検診を受けられるとよいでしょう。以前歯茎の色がおかしいということで、悪性腫瘍の発見をさせていただいた私の体験もあります。


出血の原因

  1. 歯肉炎−病気が歯肉だけに限局している
  2. 歯周炎−歯肉だけではなく病気が骨の部分にも進行している
  3. 親知らずの炎症
  4. 歯の中に炎症があり膿がたまり、顎の骨をとかして口の中に排出している
  5. 歯が割れている
  6. かぶせ物や詰め物の不適
  7. 合っていない入れ歯
  8. 進行した虫歯
  9. 顎の中ののう胞
  10. 白血病、血友病など血液の病気
  11. 良性腫瘍、悪性腫瘍

などが代表的なものです。

全体のレントゲン撮影と、歯肉の精密検査によって、ほとんどの病気は特定できます。歯科医師によれば、発見はどれもそう難しいものではありません。ぜひ定期的な専門家のチェックを受けられてください。

第22回 歯並びと口臭

平成21年3月30日

口臭について大きな反響をいただいておりますので、今回は歯並びと口臭の関係についてお話させていただきます。

歯並びが悪いと一口に言っても、受け口の方、出っ歯の方、でこぼこのはげしい方、噛み合わせの悪い方などいろいろです。どの悪い歯並びも口臭とは密接な関係にあります。

歯並びの悪い方は唾液の流れを阻害します。口臭を予防してくれる一番の達人は唾液なのです。唾液には水の流れとしての自浄作用、口の中にいる500種類ほどの細菌に対する殺菌作用、抗菌作用、再石灰化作用、消化作用など、いろいろな働きがあります。歯並びが悪いと、唾液がきれいに流れません。

特に口臭と関係する歯並びは出っ歯の方とでこぼこの歯並びの方です。

歯が前にでていますと口を閉じることが十分にできない為に、歯グキ(歯肉)が、空気にさらされ、歯肉の炎症をおこしてしまうのです。又、唇がめくれてしまい粘膜が露出していますので、唇が乾くこととなり、歯肉、粘膜が外の刺激に対し無抵抗となり、歯肉の病気(歯周炎)となってしまいます。その結果、細菌の増殖をきたし口臭の原因となってきます。

歯並びが凸凹の方の場合は、アゴの大きさに比べて歯が密集してはえているために歯垢の付着や、食べ物のカスがはさまったりして、歯肉に悪い影響を与えてきます。食べ物の残りがいつまでも残っていますと、細菌の繁殖をきたし細菌の出す廃出物が口臭の原因となってきます。

これらの予防としては、まず歯並びを矯正することが必要かと思います。成人の方の場合は、奥歯を何本か抜歯して治す場合が多くなります。アゴの大きさと歯並びを治した時の歯の並び、位置関係によって抜かなくてはならない症例が多くなります。

「口臭」とかけて「公衆」と解くその心は「エチケットが大切」

第21回 口臭について

平成21年1月20日

前回口臭について書かせていただいたのですが、たくさんの反響をいただきました。みなさん口臭については、かなり気にしていらっしゃるようですね。

口臭の原因はいくつかあるとお話したのですが、成人の場合歯周病、つまり歯槽膿漏が口臭の原因の筆頭ではないでしょうか。ですから口臭を防ぐためには歯周病を治療し、その原因となることがらを無くし、予防することが大切です。 それでは歯周病の原因となるものをいくつか述べてみます。


お口の中の問題として

(1) 歯周病菌(プラーク=歯垢、歯石)のコントロール
(2) 食流(歯と歯の間に食物がつまる)
(3) 口呼吸(いつも口を開けている)
(4) 歯列不正
(5) 口の形態異常
(6) かぶせたもの、入れ歯の不適切なもの
(7) 歯ぎしり
(8) 舌習癖
(9) 唾液の分泌量が少ない

全身的な原因として

(1) 免疫力の低下
(2) 性ホルモンのアンバランス
(3) ビタミン欠乏
(4) ミネラル不足
(5) 血液疾患=白血病など
(6) 代謝異常=糖尿病、肝臓病
(7) 動脈硬化
(8) 貧血
(9) 慢性消化器疾患
(10) ストレス、心身の疲れ


一番重要なのは歯周病菌のコントロールです。どんな原因があっても、歯周病菌がなければこの病気にはかかりません。毎日のお口に合った磨きが重要なのですが、歯並びが悪いと、きちんと歯周病菌をコントロールすることができません。また噛み合わせが悪いと、唾液の流れが悪くなり、自浄作用が低下しますから、プラークがたまりやすくなります。お口の形態も重要な要素となるわけです。

また歯周病菌は嫌気性菌です。空気が嫌いな菌です。ですから空気が無いところにいます。口の中ですと歯と歯の間、そして歯周ポケットの中です。ここにいる細菌をコントロールできなければ歯周病のコントロールは不可能です。歯周病菌はどなたの口の中にもおります。すべてを排除することは不可能な菌なので、きちんとした毎日の歯磨きが重要となるのです。

歯科衛生士にあなたのお口に合ったプラークコントロールを教えてもらうこと。あなたのお口に合った衛生用品を上手につかって、細菌をコントロールしてください。そして、体の抵抗力をつけることも大切です。細菌がいても体に抵抗力があれば、多少の細菌でしたら、まったく問題はありませんから。

寒さで抵抗力を落とす季節でもあります。ゆっくりとお風呂に入って、体を暖めましょう。 一日一回のぬるめのお風呂で長風呂をおすすめします。また身体の癒しをおこなう方法で内臓の疲れをとり、食事はビタミン、ミネラルを多くとることに努めましょう。

第20回 口臭について

平成20年11月20日

口臭についてよく質問をされます。「口が臭いような気がするのですが」「主人の口が臭いのですが」。口臭については多くのみなさんが気になさっています。口臭の問題の第一は、ご自身で口臭があるかどうかの判断を正確にすることが難しいという点です。口と鼻は近く、匂いというのは慣れてしまう傾向があるので、正確な判断が難しいのです。他人ですと「口臭がありますよ」と伝えるのは難しいですから、身内の方などに、聞いてみられるとよいでしょう。

最近では口臭を判断する簡単な器械も出ていますから、健康グッズなどを販売している大型の電気店などで購入をなさってもよいでしょう。客観的な判断ができます。


口臭の原因は?

(1) 内科的疾患
糖尿病、胃炎、気管支疾患、癌、尿毒症、肝臓疾患、副鼻腔炎(蓄膿症)など

(2) 生理的原因
喫煙、飲酒、においの強いものを食べたとき、起床時、空腹時、緊張時など

(3) お□の中の原因
歯周病、虫歯、古い入れ歯、清掃不良など



対処方法は?

(1)の内科的疾患の場合は、なんと言ってもそれらの病気を早めに治されることです。

(2)の生理的原因の場合は、まずは禁煙。当たり前の事ですが、人に会う前はお酒を飲まない、臭いの強い食べものを摂取しないなどが必要でしょう。寝ている間は唾液の分泌量が減ります。唾液の持つ自浄作用、殺菌作用が激減しますから、朝起きたら水を飲み、清涼感の高いうがい薬でうがいをなさると良いでしょう。空腹時、緊張時も同様です。最近ではブレスケアといったタブレットやスプレーも多数売られていますから、それらをポケットにいれておくのも良いですね。

(3)の口の中が原因の場合は、きちんとした治療が必要です。歯周病は状態が進んでも、見ただけではわかりませんし、自覚症状もなかなか出にくい病気なのです。定期的にレントゲンを撮り、歯周病検査をする必要があります。はぐきと歯の間に歯周ポケットという隙間があります。ポケットが4ミリ以上ですと歯周病だと言えます。歯周病は歯周病菌によって起こる病気です。正しい清掃方法をマスターする必要があります。専門家である歯科衛生士さんに習うとよいでしょう。彼女たちは衛生のプロフェッショナルですから、丁寧に教えてくれます。



たまに舌苔が原因で口臭が出る場合があります。舌の表面を良く見てみると、ずいぶんとデコボコがあることにお気づきになるでしょう。舌の表面積を大きくしているのですが、そこに細菌が棲みついて、悪臭を発生することがあります。十分に水分を補給すること、そしてたまには舌の表面を、舌のクリーナーや歯ブラシなどで軽くこすってあげてもよいでしょう。合わない入れ歯やかぶせ物、差し歯なども口臭の原因となります。治療をしなおしてください。

衣食住足りて礼節を知るという諺の中に、現代人の私たちは、人に対して失礼のない行動として、公衆道徳、即ち、口臭道徳としてお口の手入れ(治療)が大切なことをも読み取ることができます。口臭は、他人に不快感を与えるばかりでなく、ビジネスにも影響を与え兼ねます。手軽な方法としましては、口臭予防グッズとして、洗口液、タブレットやガムがありますが、根本的な原因を除去しませんと、一時的口臭予防グッズだけでは、一瞬だけの問題解決にすぎないことを、お忘れにならないように。

第19回 若さの秘訣は唾液にあり

平成20年9月30日

 以前健康の秘訣は唾液にありという話をさせていただきました。よく咬むことの重要性は、食べ物を細かくすること、そして消化酵素を含んでいる唾液と混ぜることだとお話しました。ながら食べをしていると、唾液の分泌が抑えられ、消化が悪くなってしまうというお話もしました。

ここで唾液の働きをちょっとまとめてみましょう

・消化作用
・殺菌作用
・抗菌作用
・洗浄作用
・再石灰化作用
・口の中を中性に保つ作用
・食べ物を飲み込みやすくする作用
・食べ物を噛み砕きやすくする作用
・再石灰化作用(溶けたミネラルを、再度歯に戻す作用)

今回は唾液には若さの秘訣があるというお話です。特に女性のみなさんは興味津々ではないでしょうか。

だ液がたくさん分泌される個所は口の中に三ケ所あります。

(1) 舌下腺 − 舌の下

(2) 顎下腺 − 左右のアゴのつけ根部分の顎下部

(3) 耳下腺 − 上顎第一大臼歯に接する頬の内側

これらの中で、若返りと関係があるのは耳下腺です。ここからでてくるだ液の中には「パロチン」というホルモンが含まれています。このホルモンが十分に分泌されますと、若々しさを保つことができるといわれています。頬骨と耳との間の筋肉をよくマッサージして下さい。マッサージするだけでも、唾液が分泌されるのを感じるでしょう。そこを押して痛みを感じたら少し老化が始まっている証です。老化を抑えるには、痛い個所をよくもんでマッサージします。これを毎日少しずつ続けていきますと痛みが和らぎ、その部分の筋肉が柔らかくなってきましたらホルモンが十分に分泌されはじめたと考えてもよいでしょう。だ液の分泌が多くなるにつけ肌が若々しく、つやがでてくるのを覚えるはずです。

きちんと咬めないでいますと、それだけでも唾液の分泌が抑えられてしまいます。歯並びだけではなく(0809)虫歯や歯周病を治すのも、若さを保つための秘訣と言えそうですね。

迷信のようですが、ためしにやってみてください。

第18回 子供の矯正、大人の矯正

平成20年7月31日

 歯の矯正は現在では年齢に関係なく可能になりました。私の医院でも60台の女性が普通に矯正をなさっていらっしゃいます。以前は、大人の歯は動きにくいからと敬遠されておりましたが、それが十分可能になった理由として、

(1) 技術の進歩

(2) 材料の進歩

(3) 表からは目立たない裏側から行う方法の完成があげられます

以前は歯を動かすのに強い力を使っていましたが、骨の細胞が弱い力でも反応し歯が動くことが判ってきたため、小さな力を効果的にかけるような技術が進歩しています。

また、歯を動かすための装置も変化してきています。以前はステンレスのワイヤーを使用していましたが、今では私が特許を持つ粘弾性的動きをする、ニッケルとチタンの合金ワイヤーが多く使われるようになりました。このワイヤーのおかげで、弱い力を断続的に歯にかけることが可能になり、患者さんの負担を最小限に歯を動かすことができるようになってきました。

このワイヤーを保持するため、歯に貼り付けるブラケットという装置も進化してきました。ワイヤーの着脱が簡単なもの、ワイヤーのすべりをよくして、歯の動きをよりスムースにするものなどです。外からは見えにくい白い装置、透明度の高い装置、小さい装置も開発されています。このあたりは昔とは大きく異なりますね。

表につける透明な装置のみならず、裏側から目立たなく歯を動かすことも可能になりました。これは日本のドクター藤田先生の発明による装置です。これが開発されたことにより、大人の矯正が盛んになってきました。ソフトな力を使う、目立たない方法を導入することにより、大人の矯正は一般的になってきています。そして、昔の「痛い」というイメージはなくなりつつあります。

さて、大人と子供では歯の動きに差があります。やはり子供の方が歯は動きやすいといえるでしょう。20歳をすぎますと骨の構造が緻密になってきます。10歳の子供と比較すると動きづらくなるわけです。25歳を過ぎた頃になりますと、歯周病との兼合いを考えた治療が必要になってきます。また、抜歯をして治療する頻度が増えてきます。これは、顎の成長が殆ど期待できないため、限られた顎のスペースに歯を並べるには隙間が必要になってくるためです。歯を抜くことでそこにスペースを作り、そのスペースを使って歯を並べ入れるわけです。大人の矯正は現在では十分に可能になりましたが、大人の歯、顎ゆえのハンディは子供と比較してあることを述べておきます。

第17回 出っ歯について

平成20年5月25日

 歯並びと口元の関係で、みなさんが一番注目されるのはいわゆる「出っ歯」です。見た目すぐにわかりますし、顔の形としてあまり良いイメージを与えません。

ただ形の問題だけではなく、前歯が出ていると口が閉じにくくなりますので、寝ている間は特に口があいていて、口の中が乾燥しやすいです。以前にもお話しましたが、口の中は粘膜です。ぬれていることで体を守っていますので、乾燥してしまうと歯周病にかかりやすくなります。口と鼻はつながっていますから、鼻の方の粘膜も乾燥して鼻炎にもなりやすくなります。これは逆の場合もあります。

風邪をひいて鼻で息ができなくなると、頭がぼーっとしてきますよね。口呼吸になると集中力が落ちやすくなります。武道では精神集中の時には必ず口を閉じて、ゆっくりと呼吸をして精神統一をはかります。その呼吸法では口で息をしません。呼吸というのは、頭や心にも密接な関係があるといえます。口元のしまりは、行動のしまりにもつながるというわけです。

もちろん出っ歯になると、唇がめくれあがり、厚ぼったい唇の形になりやすいです。そして唇が乾燥しやすくなりますから、唇が割れやすくなり、炎症が続くことによってさらに唇が厚ぼったくなりやすくなります。

出っ歯というのは、医学的にも、歯学的にも、行動学的にもマイナス要素が多いです。

原因としてはまず遺伝的な要素があげられますが、他にも呼吸器系の問題、指しゃぶりやタオルしゃぶりなどの癖、食べ物や飲み物を飲み込むときに舌で前歯を押す癖などがあります。

呼吸器系の問題をかかえていますと、鼻でうまく息ができませんので苦しくなりますから口で息をするようになります。成長期、口による呼吸をしていると、口で呼吸がしやすい骨格になる、つまり上の顎が前に出て、出っ歯になりやすくなります。上の歯並びが前方にとがった三角形になって、出っ歯になる人もいます。治療ができるような呼吸器系の問題は、口周辺の成長が残っている10歳前に治療を完了しておきたいものです。もちろん耳鼻咽喉科の先生とよくお話をなさって、治療時期を決めてください。外科的な治療を必要とする場合は、成長が完了してからでないと行えない事もありますから。

7~10才くらいで、歯があまり大きくなく、突出している距離が10ミリ以下でしたら、永久歯を抜かずに治療できる事も有り、また思春期を迎えるまでに治療を終わらせられる事が多々有ります。10才をすぎますと、その可能性が少なくなって来ます。それは顎の発育が9割以上すすみ、顎の成長・発育をうまく利用した矯正治療が難しいからです。出っ歯になりそうでしたら、相談だけでもお早めになさった方が良いでしょう。

第16回 顔の形の決定

 

平成20年3月31日

前回は噛み合わせと顔の形についてお話をしました。


人の顔は大きく分けて、正面から観た形、横から観た形と分けられます。正面からは、丸顔、細長類、四角類、逆三角形類、長方形顔等に。横からは、ストレート顔、凸型類、陥凹型(三日月型)類に分類されます。

そして正面類、横顔(側貌)で、その人の顔のイメージが構成されます。

 子供の時には(7〜9才位)まだ顔の型は不完全ですが、12才頃‐思春期になってきますとはっきりと顔の形が形作られ、顔の個性が徐々にできあがってきます。他との違いを造っているのはどのような部分かと言いますと、

鼻根から頭(額)にかけての部分は、脳の発育と密接な関係があります。9才頃で脳の大きさは8〜9割決定づけられ、鼻根から下のアゴの部分は、12才頃から、どんどん発育してきます。ちょうどその頃は身長がどんどん伸びはじめ、一般的に、大人っぽくなる時期ですね。このどんどん成長するであろう時期までに、噛み合わせをしっかり確立させておく必要があるのです。

特に6才臼歯(第一大臼歯)と上下の前歯の噛み合わせが不安定ですと、発育がアンバランスとなり、筋肉の成長と働きに左右、前後差が生じ、顔のゆがみが生じてくる可能性があります。これらの変化に遺伝的な要素が加味され、大人の顔が創られていくといえます。つまり一生つきあう顔の形がこの時期に、6才臼歯の噛み合わせによって決定づけられるとも言えるのです。

また、6才臼歯は乳歯列の後ろに生えて来る歯です。歯肉からちょっとだけ白い頭を出して、少しずつ生えて来ます。きちんと生えるまでには生えたての歯はとてももろく虫歯になりやすい。生えてから唾液の中のミネラルが歯について、歯を丈夫にしていきます。ですから生えて行く過程では虫歯になる危険性が高いのです。この時期に虫歯にしてしまいますと、当然きちんとした噛み合わせにはなりません。つまり、一生つきあう顔の形がゆがんでしまったりすることもあるのです。

生えて来る過程では、きちんとしたケアをする必要もありますし、6才臼歯がきちんと生えてこられるようにしてあげないといけないわけです。

これらの事を考えますと、歯の矯正は乳歯がまだ残っていて、しかも顎の成長もまだ期待できる7〜8才の頃が最適である場合が多いです。乳歯の噛み合わせに問題があって、永久歯に影響する事もあります。このような場合は、永久歯の崩出前に小さな入れ歯のような矯正装置を使う事で、歯に装置をはりつけたりせず、短い期間で矯正を終了する事も可能ですので、乳歯だけの時期にも、歯並びや噛み合わせに問題が有ると感じましたら、一度矯正専門医に見せてみるとよいでしょう。専門家として問題gあるのかないのか、このままほっておいても永久歯の崩出に支障があるのかないのか、矯正をしなければいけないのなら、いつからするのかというアドバイスをもらうことができるでしょう。もうちょっと早くに来院すれば、歯を抜かずに矯正ができたのに、と残念に思うケースもあるのです。ちょっとおかしいかもしれないと思ったら、相談だけでもいらっしゃるとよろしいでしょう。

第15回 噛み合わせと顔の形

平成20年1月30日

 前回は顔と植物の関連についてお話しましたが、健康管理という面では、植物の手入れと歯の手入れはよく似ていますね。

今回はかみ合わせと顔の形についてお話しましょう。顔の形は丸顔タイプ、卵形タイプ、四角タイプ、細面タイプ、三日月タイプなどに分かれます。それぞれのタイプにどうして分かれるのか、疑問に思ったことはありませんか。一番大きな原因は遺伝的因子。すなわち親子の顔は良く似るという誰でもが知っている事実が大きな原因です。しかしかみ合わせによって顔の形が影響を受けることが多々あるのです。

一番影響を与えるのがなんと言っても前歯の状態、その次が奥歯の状態です。 顔が丸顔か長い顔かについては、前歯が正常な状態か、逆の噛み合わせ(反対咬合)なのか、前歯が前にでている、上顎が前に出ているかによって形に変化が生じてきます。

すなわち、前歯がでている方は丸顔になりやすく、逆の噛み合わせ(反対咬合)の方は顔が長くなる傾向があります。この原因として考えられるのが筋肉の働きです。どこの筋肉かといいますと、いわゆるこめかみ(米噛み)の部分の筋肉です。ここの筋肉が十分に発育しませんと、奥歯の咬合力(噛む力)が弱くなり、結果として下顎を支えている筋肉も弱くなり、成長期にアゴが長く、細長い顔となっていきやすいのです。  丸顔の人は前歯の咬合力が弱く、奥歯の咬合力も弱めのため顔が小さくなり、結果として舌を支えている筋肉も弱くなっていきます。

顔が長いタイプの方は舌を前に突きだし下アゴの前歯を押しだす傾向があり、その結果、下アゴの前歯のかみ合わせが反対になるともいえます。 これを下舌前突癖と言い、矯正治療を行う場合要注意の難症例とみます。それに対し、丸顔の方は舌が下アゴに沈下する傾向にあり、これは二重アゴの原因の1つとして挙げられます。

遺伝は形態に大きく影響を及ぼしますが、筋肉の状態によっても骨格型に変化が生じることも多く、その筋肉の状態に影響する因子しては歯の状態が大きく関わっているのです。成長期前にきちんとした噛みあわせを作っておくのは、成長期後のお顔の形態にとって必要なことなのです。

第14回 人相学其の二

平成19年11月30日

前回人間の顔の呼称と植物の呼称についてお話しましたら、ご好評をいただきましたのでパート2をお話しましょう。

顔の呼称と植物の呼称との関連は、根→毛根、花→鼻、芽→眼、葉→歯、実→耳という具合です。顔を逆さにすると植物の呼称と顔が一致します。言葉の遊びだけではなく、昔から日本の人相学の本にこのたとえが書かれています。

これら偶然の一致を参考に顔をみてみますと、身体の手入れへのヒントを与えてくれると思われます。我々の分野である歯についてみてみますと、歯並びが凹状態のことを、専門用語で「叢生」と言います。これは字の如く、草々が密生していることを意味しています。一般的には、草々が密生している場合、間引きをして叢生状態をすっきりとした風通しのよい状態にします。

歯並びも同じで、大人の場合は間引きすなわち抜歯を行い、歯並びの凹凸を取り除き、きれいな噛み合わせにします。このことにより、発音の明瞭化、ムシ歯の予防、歯周病の予防になり、健康な口を回復するのです。なぜなら、歯並びが凹凸ですと、歯と歯の間に物が挟まりやすく、歯垢・歯石がつきやすく、歯グキの炎症を起こすからです。また、舌の先が口内炎になり易く、時々唇を噛んだりしてしまうこともあります。そのまま放置していますと、歯の重なりの強い部分の歯グキが歯周病(歯槽膿漏)になり、歯がグラついてきます。そうなりますと、硬いものを噛み切ったりすることができなくなり、偏食を起こし易く、よく噛めなくなるため胃腸疾患を起こし、また、柔らかいものや高カロリーの食品を摂ってしまい、糖尿病予備群となってしまう可能性が多くなります。乱れた歯並びですと、将来的に発現する色々な問題を内在することとなっていきます。

植物もそうですが、葉が青々として艶のある状態のときは、その植物も生き生きとして、成長・発育していきます。人間の歯も同じように、普段の手入れが行き届き、歯が白くパール状に艶のある光沢を放っている方は、歯グキもピンク色を呈し、健康状態良好といえる訳です。健康な状態とは自然で美しい状態といえるでしょう。

第13回 人相学

平成19年9月29日

今回はちょっと趣向を変えて「人相学」についてお話しましょう。

顔は、植物にたとえますと、目は「芽」、鼻は「花」、歯は「葉」、耳は「実」、髪の毛は「根」となります。

言葉の遊びではなく、昔から日本の人相学の本にはこのたとえが書かれていまして、これを基本に人の生き方が解かれているのです。 顔を逆さまにしますと、植物の呼称と顔とが一致します。おもしろいでしょう。

毛髪が白くなるというのは、植物でたとえるなら根が白くなるということで、大地からの栄養分が吸収できなくなるということです。天からの栄養分を吸収できなくなっているともいえます。

「葉」が枯れ落ちていきますと秋の気配をおぼえますよね。枯葉を踏みしめながら街や公園を歩くのは、それはまた風情があって良いものですが、口の中の「歯」が少なくなりますと、人生の秋を感じることとなってきます。これは風情などと楽しんでいられない状況です。

ただここで植物と人間が違うのは、葉(歯)が枯れ落ちても、人工的に歯を作り復活できることでしょう。もちろん誰でもどんなケースでもというわけにはいきませんが、義歯、ブリッジ、インプラント等で「秋」から「春」へもどることが人間にはできるのです。言い換えるなら、歯(葉)がなくなったらそのままにせず、すぐに歯を入れることが、若葉の葉(歯)をよみがえらせることとなるのです。

私事ですが、20年前奥歯が痛み抜くことになってしまったのですが、抜歯して三年間は咬む力が衰えたせいか、全身の力がなくなったような感じがしていました。花が開かない人生といったところですか。その後そこにインプラントを入れて、噛む力を復活させましたところ、泉の如く力がわいてきて、二度目の青春というとオーバーですが、ハ重、九重とめでたき春を迎えることができたのです。これもひとえに葉(歯)の復活があり、気の充実ができたからだと感じています。

歯並びが悪い、つまり葉並びが乱れますと外界からの栄養、太陽の光を受けるのにムラができ、その植物は成長がスムーズにいかなくなってしまいます。葉並びの=歯並びの重要性がここにも秘められているといえます。どうですか。

第12回 口が開きにくい、どうして?

平成19年8月30日

口が開きにくくなる原因はいろいろあります。今回は急に口が開かなくなった場合についてお話します。

まず原因として考えられるのは
(1)不正校合
(2)親不知らず
(3)顎関節症
(4)顎の打撲
(5)入れ歯の不適等です。

 

不正咬合には上アゴの出ている上顎前突、下アゴの出ている反対咬合、アゴがズレている咬み合わせの人、アゴがガクガク音がする方がいます。これは顎関節症とも関係してきます。顎関節症はアゴの骨と軟骨との位置がズレているためにおきるのです。不正咬合の方々は歯だけに問題があるわけではなく、顎の関節がズレている方が多いのです。これは奥歯と前歯の関係が異常、歯の噛み合わせと顎の骨との関係が異常なために起こると考えられます。外科的な治療が必要な場合もありますが、歯並びを治す事で治る事もあります。口が開きにくい、また顎関節症の方で矯正歯科に来院する患者さんもたくさんいらっしゃいます。

親不知らず(智歯)は、20歳を過ぎた頃萌出を体験する割合が多いと言えます。智歯が生えてくる時、歯グキ(歯肉)を破ってでてくる為、身体の抵抗力が落ちていますと炎症をおこし、アゴの周りの筋肉が硬直化して口が関かなくなります。また崩出時に歯は歯茎に埋まっているため、歯の周りにプラークがたまりやすく、炎症をひきおこします。この炎症によって口が開きにくくなる場合もあります。

顎関節症といわれてます顎機能不全症の方はアゴがカックンと音がする、口を開けようとすると指二本位しか開かない、アゴに痛みを覚えるといった症状が多く発現します。この症状をお持ちの方はあまり大きな口を開けようとせず、又硬い物を摂るのはやめて歯科医と相談して下さい。

顎の打撲でも口が開きにくくなる事があります。顎がずれてしまった場合もありますし、炎症によって開きにくくなることがあります。入れ歯によっても同様の状態になります。合わない入れ歯を入れる事で、人工的に不正咬合を作ってまうからです。

口が開きにくくなる方は意外とたくさんいらっしゃいます。長い間ほっておきますと、顎の関節が変形してしまう事もありますので、早めに歯科医院を来院し相談なさるとよいでしょう。

第11回 舌をつなぐスジ(舌下小帯)について

平成19年7月25日

以前上顎と上唇をつないているスジ(上唇小帯)についてお話しました。 今回は舌を上に上げると舌の裏側に下あごと舌をつなぐスジが見えると思いますが、そのスジについてお話しましょう。

日常私たちはなにげなく食べたり話したりしていますが、舌はそのことに大変大きな役目をしているのです。この舌がもし無かったら鮮明に発音ができま せんし、食事も飲み込むことも困難になります。この舌が口の中で縦横無尽の働きをしてくれているお陰で、私たちは健やかな生活を送れるといえます。 

舌下のスジの働きによって、舌が自由に動きます。
そんな大事なスジなのですが、スジが短い方は、悪影響を及ぼすこともあるのです。特にスジが太く短いと、舌の動きの自由度が低くなります。 

食べものを飲み込む時健全な状態ですと舌はのどの奥のほうにいって、食べ物や飲み物をのどに押し出す役割をするのですが、スジが短いと舌が後方にい かず、下アゴの前歯を押し出す状態となり、飲食の間前歯に力がかかる状態となります。その状態を続けた結果、下あごが押し出され、反対咬合(受け口)にな ることもあります。
また上下の前歯の間に舌が入り込んで前歯のあいだに隙間ができ、口が閉じなくなる(閉じにくくなる)場合があります。これは開咬といって矯正治療の中でも 治療のしにくい症例です。このような方々の発音は聞きづらく、いわゆる舌たらずの発音になってしまうので、タ行、サ行、ラ行の音が不明瞭となっています。  よく「赤ちゃんことば」と呼ばれるものですね。また矯正治療で、受け口を治したとしましても、スジが短かったり、前歯を押す癖が残っていると、あと戻り をしてしまうということにもなるのです。

このようにとても大事なスジでもあり、短いと悪影響を及ぼすスジですが、もしも悪影響を及ぼすような場合は、歯科医院で比較的簡単に切除することが できます。この場所は術後もたいした痛みが出ない場合が多いので、舌を前に出すと、スジに引っ張られて舌の先がハート型になるようでしたら、一度歯科医院 で診断をしてもらうとよいでしょう。

第10回 指しゃぶりのやめさせかた

平成19年6月30日

指しゃぶりについてお困りの方が多いようですので、今回はそのやめさせ方を、もう少し詳しくお話しましょう。

指しゃぶりをやめさせるには、まず子供との話し合いで少しずつ納得させ、「赤ちゃんは指しゃぶりをしているけど○○ちゃんはもう赤ちゃん じゃないもんね」「お兄ちゃんたちは誰も指しゃぶりはしていないよ」「幼稚園に入ったら指しゃぶりはやめなくちゃね」など優しく子供の理想、あこがれに指 しゃぶりはマイナスになることを自覚させていきます。それでも、続けるようでしたら、皆様は既にやられているかもしれませんが、
(1)指に嫌いな匂いなどを塗ってみる。(ニンニクなど)
(2)指にマジックでマークをする。爪をマジックやマニュニキアで塗る。
(3)手袋をつけさせ、パジャマの袖にヒモを通してその手袋が自分ではとれないようにする。
(4)矯正歯科で指にはまる金属製の指サックを作ってもらい、それを指にはめ、手首にヒモを巻いて固定させる。

指サックは子供には大いなる反省を与える方法となり、今迄私の体験では、効果が顕著でありました。早い子供ですと、その日のうちに指しゃぶりをやめ ます。なかには自分で金属製サックをはずしてしまう子もいますが、子供心に指しゃぶりをやってはいけないんだという意識を与えるには効果的な方法といえま す。

永久歯が萌えはじめて、特に前歯が萌出してくる7〜8才頃まで指しゃぶりをしていますと、上の前歯が前方へでてきて口を閉じることができな くなり、いつも口を開けた状態となってしまいます。出っ歯も気になる所ですし、口びるがめくれてしまいますので、口びるが乾燥して痛々しい状態となってき ます。この状態が続くようですと唇の形にも影響を与えますので、特に女子は大きくなって後悔をなさる方も多いと聞いております。いつも口を開けた状態とな りますので、喉の扁桃腺が腫れ易く、風邪もひき易くなり、呼吸器系の病気にもなり易くなります。鼻呼吸ができにくいのでさらに口呼吸をしてしまい口が開い てしまうという悪循環をおこしてしまいます。

指しゃぶりを単に口だけの問題としてとらえず、子供の健康にも少なからず影響を与えていることをお考えいただき、その時期が来たらきちんと治すように心掛けて下さい。

第9回 指しゃぶりについて

平成19年5月28日

お子さんの指しゃぶりを気になさっているお母様は多いです。今回は指しゃぶりについてお話します。

指しゃぶりは、お母さんのお腹の中にいる時からおこなっていることが判っています。生理的現象の一つと言えるかも知れません。しかし三歳を 過ぎても続けていますと、顔の形に影響を与える可能性が高いのです。口元がでて出っ歯状態となり、唇がめくれた厚ぼったい形になることがあります。また、 口が開いているので唇が乾きやすく、ひび割れてしまうことも多いようです。女性の場合お化粧をするようになると、輪郭のはっきりしない大きめの唇になって しまうので苦労なさる方も多いと聞いております。又、前歯が開いた状態となり、上下の前歯があたりにくくなりますので、物を噛み切ることなどができなくな り、偏食の原因ともなります。また前歯が開いた状態の為息が抜けてしまい、発音に不明瞭さが生じ、正確に発音できない言葉がでてきたりします。しゃぶって いる指にはタコができ、関節が膨らんだ状態となります。ではどうしたらやめさせられるのでしょうか。

○やめさせるのに良い時期
  (1)子供の気持がやめる方にむいている時
  (2)子供の健康状態が良い時(ケガや病気をしていない)
  (3)母親が落ち着いて指しゃぶりを止めさせることに集中できる時(母親が病気や多忙でない)
  (4)幼稚園・保育園への入園、小学校入学など、生活が変化する時(社会性を身につける時期)
  (5)家庭内に問題がない時(不幸や引越などがない)
指しゃぶりは単に生理的習慣でなく、親の注意、愛情を自分にむけてもらうためのデモンストレーションの行動としての結果の場合もあります。この子供の心の悩みを解決することも大切です。

○やめさせるには?
  (1)やめた方が良い理由を子供によく説明する。「お指さんが痛い痛いと言ってますよ」
「大きくなってかわいい顔になりませんよ」 
  (2)子供の気持を尊重する。子供自身が指しゃぶりをやめても良い意思を示すようであれば、
指しゃぶりによる害を話し、徐々にやめさせていくようにします。
子供がいうことをきかない時は、知的成長に合わせてあせらず気長に子供と話し合うのも一つでしょう。

第8回 子供の顎について

平成19年4月30日

現代っ子はずいぶんとスリムになりましたね。手足が長く背も高く、顔立ちもすっきりとしている子供が増えています。しかし、以前に比べて外見は劇的 に変化しているのですが、歯の大きさはそれに比べると変化が小さいのです。顔がすっきりするにつれ、歯の大きさが小さくなっているわけではないので、小さ くなったアゴにさほど変化のない大きさの歯が並びきらず、歯並びの悪い子供が増えているようです。親知らずの無い人も増えていますが、それだけでは解決で きておりません。

矯正装置を入れると、歯が少し押される感じ、しめつけられる感じがあるかもしれませんが、そのしめつけられた圧迫される感覚が、実はアゴの発育を促進しているのです。

成長発育は食べ物の硬さにも関係しています。これはご存知ですね。現代生活の食事は程よく調整され、粘りのある物、硬い物、スジのある野菜や肉、魚の骨、豆類、玄米などを敬遠する方も多いですね。ましてや子供たちの殆どが口に合わないといって食べないようです。

その結果、アゴに適切な刺激が伝わらず、アゴが歯の大きさに対応した大きさに成長発育しないため、結果として歯並びが悪くなってしまうこととなりま す。もちろん虫歯によって歯の形が小さくなったり早期に抜けたりしてもアゴの発育にはマイナスの因子となります。乳歯は抜けてしまうからといって、虫歯の 治療を怠っていたり、ましてや乳歯だからといって虫歯になっても大丈夫などと考えていると、永久歯に確実に悪影響が及んでしまうわけです。虫歯の治療、そ の前に確実な予防をすることが大切です。

矯正の力でどの位アゴが大きくなるのかと申しますと、そのお子様の歯の大きさにも影響されますが、幅5mmは大きくすることができます。

よく質問されますのは、アゴが大きくなると顔の幅も大きくなるのですかといわれますが、顔の幅は自然の成長発育に順応していきますので、極端に大き くなったりはいたしません。変えていくのはほとんどがアゴの骨というよりは、歯が埋まっている歯槽骨だからです。ご安心ください。

第7回 歯を抜かずに矯正をする

平成19年3月28日

永久歯がはえ始める6歳から12歳ごろまでは、歯を抜かずに矯正治療をするための重要な期間です。この時期口の周りの骨がダイナミックに成長するからです。すべての歯の大きさの合計に対して、顎の大きさが小さくては歯は並びきらずにでこぼこになってしまいます。

当医院ではこの時期の矯正治療に、歯の表面に装置を貼り付けることなく、家にいる時間だけ使っていただく取り外しの装置を使うことがよくあります。 この装置を使い顎の成長を促進することによって、歯が並びきる顎の大きさを作っていくわけです。これは患者さんに好評をいただいています。この方法です と、歯の表面につける方法と異なり虫歯の心配をしなくてすみますし、子供の精神的負担が少なくなるからです。

この装置はバイオメカニズム、生体に備わっている成長する力を利用して歯並びを治す方法です。この理論の背景は整形外科学にあります。骨の発育は刺 激を与えると促進されます。例えばこの装置を上あごに用いますと、軟骨や骨で構成されている空間鼻腔などは、周囲の骨が刺激されることにより拡大してき て、鼻の機能が高まり上顎の成長が促進され、酸素の吸収が高くなり、ひいては鼻が高くなることも期待できます。もちろん上顎が拡大されますから、結果とし て歯がきちんと並ぶという結果になります。当然審美性も矯正の重要なポイントになりますから、どのケースでもかまわず歯に合わせて顎を拡大するわけではあ りません。

この顎の拡大でも歯が並びきらない場合は、短い期間歯の表面に矯正装置をつけて治していきますが、この装置と前歯の小さな固定だけで歯並びを改善できるケースも多くあります。歯に貼り付ける装置を極力短期間にしたり、小規模にする効果もあるわけです。

最大の長所は永久歯の抜歯をしないで治るケースが多いことです。当医院といたしましては、矯正は歯を抜かないことを目標にしています。抜歯をしないで治せる条件としては

(1)年齢が成長期の終了以前であること。個人差がありますが大体12歳くらいまでです。
(2)前歯の大きさが標準サイズ(巾 女子 8.40mm、男子 8.65mm が基準です)
(3)顎が極端に小さくないこと
(4)その他かみ合わせなどの問題が治療の範囲内であること
などがあげられます。もちろん大人でも条件が揃えば極力歯は抜きません。

歯のサイズが大きいからといって永久歯を小さく削ってしまうと、しみてきたり虫歯になりやすくなるので注意が必要なのですが、問題が起きない範囲で、歯を少し削って並べることもあります。抜歯をするリスクを少なくするためにできるだけ有効な手段を選んでおります。

第6回 上顎のスジ(口唇小帯)

平成18年12月28日

口を開けて、上唇をめくってみてください。真ん中、唇と前歯の真ん中をつなぐようにスジが見えると思います。これを口唇小帯といいます。

このスジの位置により、顔や口の中の正中(真ん中)が定まるようになっています。働きとしましては、上唇の動きをコントロールし、極端に唇がめくれ たりしないように押さえたり、唇をすぼめやすいようにすることです。このスジが太かったり、前歯のつけ根まで伸びていたりしますと、上あごの2本の前歯が ぴったりつかず、スキマがあいてしまうことがあります。私たちはそれを正中離間と呼んでいます。乳歯の場合はスキマがあっても全く心配いりません。永久歯 と乳歯の交換期にある6〜9才位の子供は、前歯がすいていても正常なのですが、10才〜12才過ぎてもスキマがありますと、成人してもスキマが残ってしま うことがあります。見た目の問題もそうですが、話していて唾が飛んでしまったり、食事中に食べ物が挟まりやすくなったり、歯周病にかかりやすくなるなど、 色々問題を残してしまいます。この場合考えられることとしましては、

(1)このスジの形態に問題がある。太すぎたり長すぎたり、強すぎたりしている場合。
(2)埋伏歯がある。顎の中に埋まったまま崩出しないでいる歯がある場合。余分な歯である事も
多い(過剰歯)
(3)元々家系的に隙間のある歯並び
(4)このスジ以外に原因がある

(1)の場合、スジを麻酔したのち一部を除去します。時期的には、小学校2〜3年生の頃が
適当でしょう。スジを切る手術はそんなに難しいものではありませんのでご安心ください。
(2)の場合、レントゲンで確認して埋伏歯を抜歯するか否か専門医と相談してください。
(3)(4)の場合は、早めに矯正専門医にご相談の上、矯正をおこなうのがよろしいかと思います。

第5回 矯正装置をつけると痛くなる?

平成16年11月28日

矯正装置をつけると痛くなるとよく言われますよね。今回はこの矯正に関わる痛みについてお話します。

奥歯に入れるゴム

矯正を始める段階としまして、まず奥歯に装置を入れるスペースを作るための小さな輪ゴムをはめ、一週間のちに金属の輪を奥歯にまきます。そ の時の輪ゴムが痛いことがあります。これは歯の間にものがはさまった感じが続きますので、入れてから三時間すぎますと確かに痛くなります。それを防ぐ方法 としまして、鎮痛剤の服用を行ってもらっています。子供はあまり痛がりませんが、高校生以上の方は反応が強い傾向があります。

抜歯

必要により抜歯をすることがあります。抜歯の恐さについては、多くの場合麻酔の針が痛いことによる恐れが原因ですが、これも表面麻酔薬を効 果的に使用することにより、針を刺す痛みを感じることなく抜歯を行うことができます。 当医院ではそのように抜歯を行っています。また矯正による抜歯は、 虫歯や歯周病による抜歯とは異なり、まわりに病巣がある歯を抜くことは少ないので、術後に痛みが出る事はほとんどありません。

歯に張りつける装置

歯に装置をつける時は特殊な接着剤でつけますので、殆ど痛みはありません。 装置とワイヤーによる口内炎やワイヤーのでっぱりによる痛さが でることがありますが、口内炎は装置をつけて一週間位に、レーザーをあてながら歯にプラスチックのパックをつけることで防ぐことができます。ワイヤーの でっぱりはできるだけ小さく作りますが、ほとんどの方はその形に慣れてしまい痛みが出なくなります。 もちろん痛みがひかない場合は調整をします。

ゴム

噛み合わせを作るときや、ワイヤーと組み合わせて力をかける時などに、口の中に小さなゴムをかけることがあります。上顎と下顎に直径1cm 位の大きさのゴムをかけます。これもかけっぱなしにしていますと問題はないのですが、しばらくかけないでいて、たまに気がついた時にかけたりしますと、歯 が痛いことがあります。 続けてかけることで矯正力を働かせるゴムです。忘れずに使ってください。

ワイヤー

ワイヤーを替えると痛いことがあります。歯が動いている証拠ですね。次の来院日までに歯が動くと、更に動かして行くために新しい太さや形の ワイヤーを入れるわけです。ですから最初は少し痛む事が有ります。しかし今では多くの場合、形状記憶のワイヤー(私の特許)を使いますので、そのようなこ とはあまりおきません。 

第4回 健康の秘訣は唾液にあり

平成16年10月30日

食事をする際、私たちは何気なく「よくかんで食べましょう」「一口30回以上噛んで食べましょう」と言いますがそれはなぜなのでしょう。よくかむと 食物が小さくなって胃の中で消化されやすいのはもちろんですが、よくかむことの重要性はそれだけではありません。最も重要なのは、唾液と食物をよく混ぜる ことなのです。唾液の中には消化酵素のプチアリンがあって食物と合体し、胃腸の中で食物の栄養素が十分に吸収されることに一役買っています。そのためには 歯が丈夫でないといけません。歯が丈夫でなければしっかりとかんで、充分な唾液を分泌できないからです。もちろん歯ごたえのあるものを楽しむこともできま せん。

食事をする際に大事なのは楽しんで食べることに集中することです。ながら食べは機械的に胃の中に流し込むことになり、十分な栄養を摂ることにはなり ません。ほかの事に気をとられていますと唾液の分泌量が減ってしまうからです。結果としてお茶や味噌汁や水で胃の中に流し込むことになります。いくら手作 りのおいしい食事でも、胃腸にとってながら食べはおいしい食事とはいえないのです。いかに楽しく感謝して食欲をもって食べるかが十分な唾液を分泌させ、強 いては体の健康にとって大切になるのです。

唾液の働きには殺菌力もあります。怪我をしたときよくつばをつけて傷口をなめなさいと昔言われました。医学的にもそれはある程度証明されています。 口は食べ物を最初に入れる器官ですから、外からの細菌の侵入を防ぐ役割を唾液が担っているのです。もちろん近くに清潔な水がありましたら、そちらで傷口を 洗い流す事が大事ですけれど。

第3回 顔のゆがみや曲がりは歯と関係がある?

平成18年9月20日

顔のバランスは眼、鼻、耳、口、輪郭で判断しますが、なかなかバランスのとれた良いプロファイルをお持ちの方は少ないようです。一般的にはバランス がとれているということで「美」という表現を使ったり、違和感がない、正常範囲内であると幅をもって表現されますが、医学的には、形(デザイン)機能(働 き)の両方をみて判断をします。この両方が無いと、バランスが取れている、健康であるとは言わないわけです。美しい人の顔は、形はもちろん機能的にも優れ ている場合がほとんどです。

さて、顔のゆがみはどうやって判断するかと申しますと
(1)両眼を結んだ線と地平面が平行であるか否か
(2)眼の大きさに左右の違いがあるか
(3)耳の大きさに左右差があるか否か
(4)口元にゆがみがないか
(5)上下の唇の大きさに違いがないか 
(6)眉間と顎の先を結んだ正中線と1.の線(平面)で十字形が出来るか否か

これら6つで顔のバランスを判定します。自分で鏡を観て観察してください。

例えば右目が左目より小さく、眼と眼を結んだ平面が右肩下がりの方は、口元は逆に右肩上がりになっていませんか?耳の大きさも左右違ってい るのが判りますでしょうか?もしそうでしたら、口を「イー」といいながら、前歯の真ん中の位置をみてください。前歯の真ん中がどちらにズレていないか、鏡 を見ながらやってみてください。

三歳児検診などに行きますと、乳歯がきれいに並んでいるお子さんも多いのですが、歯並びの悪いお子さんの顔はすでに少しゆがんでいます。大 人になっても歯並びが凸凹の方で顎が曲がっている方は、身体と歯列の正中線がズレている方が多いです。歯だけではなく全身を観る事を心がけ、歯並びとどう 関係しているのか、どう治療してあげたらよいのかを考えて治療計画をたてることも、矯正歯科医の役割だと考えています。

第2回 歯はどうしてでこぼこになるの?

平成18年8月13日

今回は歯がでこぼこになる原因について述べます。

生来遺伝的に顎が小さく、祖父母、両親ともに歯並びが凸凹の方は、子供さんも凸凹になる可能性が高くなります。原因としては
(1)歯の大きさ
(2)顎の大きさ
(3)顎をぶつけた
(4)歯周病による骨の脆弱化
(5)虫歯による歯の形の変化 
(6)抜歯したまま放置
(7)親知らずの存在などが考えられます。

1.前歯の大きさは女性で幅8.4ミリ、男性で8.6ミリのサイズが適正な歯並びを作ると考えられています。

2.顎の大きさには、当然男女差がありますが、現代人は顎が小さくなっているため、凸凹になる割合は大きくなっています。

3.顎をぶつけますと、ぶつけた場所により歯は位置を変えることが多く、特に乳歯の時にぶつけますと、顎の中の永久歯胚(歯の種のようなものです)が方向を変えて、歯並びに影響を与えることがあります。

4.歯周病の方は、歯を支えているはずの顎の骨が少しずつなくなるため歯がしっかり稙立できず、少しずつ歯が動いてしまいます。

5.虫歯になり歯が欠けたり穴があいたりしますと、かみ合わせが変わってきて、歯並びにずれが生じてきます。

6.抜歯したまま(特に奥歯)放置しますと、奥歯での噛みしめの力に変化が生じ、知らず知らずのうちに歯の重なりがおきます。

7.親知らずが生えてくる年齢17〜23歳頃になりますと、親知らずの前の歯を前方に押し出しますので、前歯に重なりが起きてくることがあります。親知らずが水平に生えているときは特に前歯に影響を与えます。

第1回 大人の歯並びどうやってなおすの?

平成18年7月20日

ここでは院長の私がみなさんの興味にお答えしたり、歯に関する「よもやま話」を ご披露いたします。
月に1回程度の更新になりそうですが、お楽しみください。

今回は大人の歯並びをどうやって治すのか述べます。
(1)夜のみ装置をはめて治す方法
(2)歯の表に金具もしくはセラミックなどのパーツを接着して治す方法
(3)歯の裏側に金具をつけて、表からはみえない審美矯正法で治す
などがあげられます。

(1)の方法は、顎が痛い人、顎の曲がっている人または比較的軽症の歯並びの人などに用いる事が出来ます。この場合の欠点として、本人がまじめに使用しないと治らない事と、凹凸の激しい歯並びの人には使えない事です。

(2)の方法は一般的な方法で既に皆様方が知っている方法で、軽い症例から難しい症例まで、幅広く対応できる長所があります。欠点としては目立つ事 ですが、セラミックなどのパーツを使えば、比較的目立たずに治療を進めて行く事が出来ます。3は歯の裏側に装置をつけますので、表からは見えないという特 徴があります。この方法は、対人関係を気にされる方や、接客などの職業の方には最適な装置ですが、治療費が表の装置に比べ割高になることと、高度な技術を 要しますので、この方法で治療が出来る矯正歯科医が少ないのが欠点です。これは藤田先生という方が世界で初めて開発した方法で、小生もそこに関わっていま したから、20年前からこの方法であらゆる症例を治療しています。難症例では4〜5年の期間を用しますが、普通の症例では約3年で終わります。

お問い合せ:九重矯正歯科(042)385-5982/九重歯科多摩センター(042)373-5981